大村理文(Masafumi Ohmura)
会期:2020年12月2日(水) ー 14日(月)
作家が作品をつくるきっかけ、なぜ作り続けるのか。
明確なもの、結果だけではない。
手を止めることができないその胸中が赤裸々に書かれたメッセージを受け取りました。
大村さんからのメッセージ
展示の機会をいただいて、今回は、令和3年に震災から10年を迎えるにあたり、2011年の東日本大震災以降に制作を始めた円形を使った抽象画をまとめて展示することにしました。円を描いたきっかけは、震災後に何も考えずにしたノートへの落書きです。1つ描いただけでは納得がいかず、いくつも描きそれが画面上に形を作っていきました。2011年の5月までは、仕事も休業になり、時間が空いたので沿岸部へボランティア作業へ行きました。今と変わらず、愚かスケべな人間だったので極端な状況を記録すれば作品に使えるという考えを何処かに持っており、当時は作業道具と共にコンパクト・デジタルカメラを用意して、早朝の集合時間にバスに乗り込みました。しかし、現場についた自分にはカメラを向けて被災状況を撮影して作品に使用するという気力・能力はありませんでした。泥出しと土嚢を運ぶ作業だけをしました。他者へ、倫理観(?)を持ち出すほど、まともな人間ではないので、ただ能力がないのだと思います。自分の仕事が再開した後、秋になり南三陸町、大川小学校、石巻市に連れて行ってもらいました。この時には、写真や記録映像をビデオカメラで撮影しました。これは、自分で見返して映像の編集もしましたが、やはり何処にも発表はしていません。20年ほど前から、具体的な動物や人物をモデルとして絵を描いていました。なぜ、よく分からない形の物を描き始めたかと言うと、どうも”抽象化”しなくては、自分には東日本大震災という事象と向き合うことが出来なかったからだと思います。また、その画面も10年で変化して行きました。お時間ありましたら、どうぞお越し下さい。